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日本における資産集約型再保険(AIR: Asset Intensive Reinsurance):新経済価値規制(J-ICS)への対応を見据えた日本の「出再者」(再保険契約においてリスクを移転する側の保険会社)向けストラクチャリングガイド

2026.02.05

エグゼクティブ・サマリー

日本は、保険監督者国際機構(IAIS)の国際資本基準(ICS)に対応する形で経済価値ベースのソルベンシー規制(J-ICS / ESR)の導入を現在進めており、この規制は、2026年3月31日を期末とする会計年度から適用される予定です。

この新規制下では、資産や負債が決算時の金利等を反映した時価ベースで評価され、厳しいストレス環境下においても十分な規制資本が確保されるように資本要件が設定されます。それにより、特に高金利の時代に販売された利率の高い保険において、金利の変動、想定外の解約の発生及びALM(資産負債管理)上の資産と負債のミスマッチに対するソルベンシー・マージン比率の感応度が向上することが見込まれています。

この新規制への移行にあたって日本の保険会社の有力な解決策として期待されているのが、資産集約型再保険(AIR)です。これは、資本集約的な事業が有する投資リスクと保険リスクを、海外に拠点を置き、プライベートエクイティ(PE)ファンドの支援を受けている再保険会社に移転する仕組みです。

このような再保険会社が持つオルタナティブ資産へのアクセスやグローバルな資産運用ノウハウを活用することで、出再者は、リスク移転によって解放された資本の有効活用及び金利リスクの軽減の実現だけでなく、より高度なメリットも享受することができます。例えば、国内では実現しにくい新たな収益源の確保や出再者へ非流動性プレミアムを還元するなどの商品設計によって競争力のある貯蓄型保険の拡充を図ること及び複数の法域やカウンターパーティにわたるシステミックリスクの分散も実現することができます。

他方で、金融庁は、日本の生命保険会社が、海外に拠点を置く再保険会社の活用を拡大させていることを受け、実態調査を進めています。特に金融庁が懸念しているのは、カウンターパーティーリスク及び集中リスクです。具体的には、取引の大半がバミューダを拠点とする再保険会社へ集中している点や、その多くがPEファンドの運営であり、日本市場に対する長期的なコミットメントに不透明性が生じるという点を金融庁は懸念しています。これらに加え、取引額や契約の種類、リスクの最終的な所在を不透明にする再々保険(retrocession)の連鎖といった個別具体的な点にも懸念を示しています。

この金融庁の視点を敷衍すれば、出再者にはまず、「なぜオフショアか」「リスクや運用能力が国内と何が異なるのか」といった取引の合理性に関する説明責任が求められます。それに加え、再々保険(retrocession)によるリスク所在の不透明化の解消や、担保資産(特に流動性や価値評価が困難な資産)に関する投資ガイドライン・運用管理・情報開示体制の高度化、そして関連当事者取引を防ぐ実効的なガバナンス体制の構築も不可欠です。さらに、リキャプチャ(再保険契約終了時や再保険会社の破綻等の際に、出再者である保険会社がリスク資産・負債を再び引き取ること)の局面においては、担保価値の毀損、資本十分性の再確保、海外資産の運用体制の再構築といった多面的なリスクに対し、第三者が検証可能な計画とオペレーションを事前に組み込んでおく必要があります。

以上より、日本の出再者が認識しておくべき点は明確です。

新経済価値規制(J-ICS)下において、資産集約型再保険(AIR)は、単に資本効率の向上やALMの強化に資するというだけでは十分でありません。なぜなら、金融庁は、カウンターパーティーリスク、担保の質、運用主体のガバナンス、そして、第三者によっても検証可能な「リキャプチャ」時への備えに関して厳しい精査の目を向けているからです。

この精査に十分に対応できるような体制をあらかじめ整えておくためにも、資産集約型再保険(AIR)は、「実質的なリスク移転」と「商業的実態」を備えなければなりません。それに伴い、出再者は、「金融庁による厳格な審査への能動的かつ主体的な対応」や「担保・ガバナンス・リキャプチャ体制の高度化」を見据え、契約の設計段階から戦略的なアプローチをしていくことが求められています。

詳細につきましては、以下のブログをご覧ください。

Asset intensive reinsurance in Japan – a structuring guide for Japanese cedants navigating J-ICS

Team

Tokyo

中島 智子

パートナー 日本M&Aプラクティス代表
Hong Kong

Robert Ashworth

パートナー
Munich, Singapore

David Schwintowski

パートナー
グローバルネットワーク
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